倶知安・羊蹄太鼓の創始者、太鼓のロクさんの訃報が届きました。享年96歳。体調がよくないと聞いていたので、元気になることを願っていたのですが・・・。残念です。
ロクさんとの出会いはひのき屋結成5周年ツアーのとき。かれこれ7年ほど前になるでしょうか。そのときひのき屋では「北海道のすべての支庁でライブをやろう!」という無謀な企画を立て、私は倶知安町のある後志支庁の担当を割り当てられました。割り当てられたはいいが、後志管内には知り合いもほとんどいない状態。なんとかライブ実現の糸口を見つけようと現地に乗り込んでいろんな人に会う中で、私はロクさんの連絡先を知り、早速電話をしました。電話に出たロクさんの第一声が「ハイ、太鼓のロクさんです」だったことを今でもはっきり覚えています。その電話をキッカケに、羊蹄太鼓保存会・鼓流のメンバーとの交流が始まり、メンバーと酒を飲んだり、自宅に泊めてもらったり、ひのき屋のライブを企画してもらったりと、とってもよくしてもらっています。鼓流のメンバーはみんな心から太鼓が好きで、何よりロクさんを信望しています。前に鼓流の筆頭がこんなことを言っていたことがあります。ロクさんは高齢なので自分で作った曲なのにリズムが抜けてしまったりすることがある。だけどその瞬間にロクさんがやっていることが正しいんだ。だからみんなそれに合わせるんだ、と。確かに、ロクさんと一緒にたたく鼓流のステージは、みんながハラハラしてるような、ワクワクしてるような、そんなあたたかい雰囲気でロクさんに合わせていました。それがとってもいいんです。あのあたたかいロクさんの太鼓がもう聞けないのかと思うと本当に残念です。
ひのき屋の倶知安ライブのとき、客席から掛け声をくれたロクさんのこと。忘れません。ライブの翌朝、羊蹄太鼓せんべいをもってホテルに来てくれたロクさんのこと。忘れません。ホテルのロビーでいろんな話を聞かせてくれたロクさんのこと。忘れません。ロクさん、本当にありがとうございました。
心からご冥福をお祈りします。