ひのき屋 - Hinokiya, the traveling band.

函館を拠点に世界を旅するトラベリングバンド。

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ひのき屋旅日記 ボスニア・ヘルツェゴビナ サラエボ編(後)
サラエボではやはり戦争の傷跡がどうしても目に付く。あらゆる建物に銃弾の跡が残っているのだ。しかし、そんな街で人々は当たり前に生きている。実際、私自身もほんの数時間でそんな街の風景にも慣れ、当たり前に街を歩いていた。人がいい。治安もいい。のんびりと流れる時間がいい。戦争の傷跡と平和が共存するサラエボこそ、今、日本人が訪れるべき街ではないだろうかと思ってしまう。
サラエボ国際音楽祭「バシチャルシヤ・ノチ」。サラエボでの2回目のライブであり、3週間にわたる旅を締めくくる最後のライブとなる。スケジュールの都合でベーシストの田中氏はクロアチアのライブを終えて帰国。サラエボ国立劇場のライブからひのき屋の正規メンバー4人での演奏となっている。さすがに旅の最後のライブとなると感慨深いものがあり、時折理由もなくグッとこみあげてくるものがある。

この日のライブは国立図書館前に設置された野外ステージでの演奏。街のメインストリートからちょっと離れたこの場所は人通りがまばらで、昼間からビールに飲まれているオッチャンたちが大声で話す。ライブ時間に合わせて人が続々と集まってくる。

本番直前、ふと空を見上げると黒い雲がかかっている。「あの雲、ちょっとあやしいねー」などと話しつつステージへ。ライブが始まる。ライブが始まって程なくして、ステージ上から見える遠くの街並に稲妻がひかる。そしてその稲妻は着々とステージの方に近づいてくるのが見える。賢明なお客さんはパラパラと帰り始める。律儀なお客さんはそれでもなお応援してくれる。雨が降り出す。だんだん激しくなる。お客さんは蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。雨はどんどんどんどん激しくなる。こりゃもう無理だ!これまで見たことないほどの激しい雨。やむを得ずライブは途中で中止。そんな雨の中も最後の最後まで傘をさしながらライブを見ていてくれた一団には心から感謝したい。

かつてないほどトラブル続きだった今年のヨーロッパツアー。最後はこんな壮絶な雨で幕を下ろすことになる。
2007年08月03日 ワタナベヒロシ より
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