ひのき屋 - Hinokiya, the traveling band.

函館を拠点に世界を旅するトラベリングバンド。

ひのき屋 - Hinokiya, the traveling band.

ひのき屋旅日記 ベラルーシ・ミンスク編(後)
昼間のメインストリート。不意にすべての車が道端に停車する。そういえばさっきまで通りを歩いていた人もいなくなった。信号はすべて青に変わる。街の時間が一瞬止まる。すると道路の真ん中をパトカーに先導された車が猛スピードで過ぎていく。どうやらそれが大統領の乗った車のようだ。車が通り過ぎると、街はまたすぐに日常に戻る。これが「独裁国家」ってやつか。
本番直前。
楽器が到着しないという、ひのき屋史上初の大事件。
手元にあるのはソガの篠笛と鍵盤ハーモニカのみ。

「この状況では中止にしろと言われても仕方ないと思います。でも大使館としては出来ればそれは避けたい。30分でもいいので何かやってもらえたらと思うのですが…」

大使館の担当者は言う。
しかし、この時点で私の中には「中止」という選択肢はなかったし、それは他のメンバーも同じだっただろう。

「まず開始時間をできるだけ遅らせて下さい。アコースティックギターは手配出来るでしょうか? それがあれば出来ることは広がります。それからなんでもいいのでパーカッション。ドラムセットでも構いません。あとはベース。ウッドベースがなければエレキベースでも…」

メンバー、スタッフ、大使館…みんなが動き出した。

緊急作戦会議を行い、途中休憩ありの2部制でライブを進行させることを決める。1部はソガの笛、しまだの歌、ワタナベの歌。休憩中にサウンドチェックをして2部は手配した楽器で出来る曲をなんとかやろう。そして開演予定時間から30分が経過した頃、ようやく楽器が到着。そしてライブはスタートする。

正直、ライブは決して満足のいくものではなかった。
しかし、メンバーおよびスタッフの必死さが届いたのか、お客さんはとてもあたたかい拍手を送ってくれた。ライブ終了後には何人ものお客さんがステージに上がってきてモーレツな握手を求め、日本のこと、ひのき屋のことを尋ねてきた。そしてカメラマンのエモトさんは「いやー今日のひのき屋は新鮮で面白かったよ」と言ってくれた。確かに、私もドラムとエレキベースの「づっつき節」はとっても楽しかった。

 翌日は同じベラルーシの地方都市・モギリョフでのライブ。
 楽器は着くんだろうか? 着いてくれ! ミンスクでの雪辱を果たしたいのだ!
 そして何より、この難関の多いベラルーシでライブをブッキングしてくれた大使館の方々に「本当のひのき屋」を見てもらいたいのだ!
2007年07月18日 ワタナベヒロシ より
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